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2005年 07月 16日
道内五箇所、道外二箇所で講演、更に道内一箇所で交流会、札幌で記者会見、北農研申し入れ、……という、ウルトラスーパーハードな旅程を終始溌剌と精力的にこなしたパーシー・シュマイザー氏(くどいようだが75歳)。
私がご一緒したのは札幌講演会&その後の交流会のみだったわけだが、雑談のような形で伺ったことで「うわあ(汗)」と思ったのは、カナダの農業の形態。 平均600~700ヘクタール 大規模なら1000ヘクタールくらい 小規模で200ヘクタール 日本ローカルの基準では、80ヘクタールでも充分大規模。これは北海道基準だから南のほうは押して知るべし。 機械使って農薬使っても、そんなもんだということですな。 シュマイザー氏が三代かけて農業を続けてきた(そして50年かけて改良したナタネをモンサントに盗まれた)サスカチュワン州は、農薬の使用量が多く、癌にかかる率もかなり高いとのこと。ごく少人数で、600ヘクタールもの農地を相手にすること自体、大変に無理のあることなのだ。農薬の撒き方には遠慮がなくなるし、機械を入れるためだけに、ごく少数のラウンドアップ(グリホサート)を畑の入り口にちょっと撒く(その機械がまたはてしなく大きい→それだけ危険性も高い)(聞き違いでなければ横幅25メートル)ことも行われている。 更に、どうしても個人がオーバーワークになってしまい、機械に巻き込まれる事故なども多いと聞く。シュマイザー氏自身、農機具に巻き込まれた事故からの生還者だ。 元々そこで耕していたひとたちはどうなったのだろう?大規模化に次ぐ大規模化の過程で、農村から人が居なくなり、農業地帯にゴーストタウンが幾つも出来たという話は既に聞いている。農産物の価格も下落し、小規模に戻したくとも相当難しい状況が出来ていることは想像できる。 アルゼンチンでは無理やりな農地拡大と大規模化により、森林破壊と土壌汚染が進み、15万人の農民が土地を追われた。そうして作られている大豆は殆どが油と飼料として使われる。例えば米国の牛の飼料に。かの国がGMOを受け入れざるを得なくなったのは、債務を払うために外貨を作るしかなくなったからだ。その為に人々の生活を破壊しても。 農業文化に止めを刺したのは確かにGMO技術だが、その前に充分北米の農業は壊滅しかけていたのだと思う。それは健全な姿ではないだろう。利益を得たのはアグリビジネスで、消費者よりもまづ生産者こそ、被害者なのだとしみじみ思う。 こんな形で行われている農業が、他国の、規模的にはいっそ零細といって良いような農業を圧迫するのだから、良いことではないなと本当に思う。 日本の小・中学校の給食に出てくるパンやラーメン、うどんだって、殆ど北米産なのだ。小麦をかなり作っているここ北海道においても。その辺りのレストランのパスタも。うどん屋さんも。パン屋さんのパンも。 思うに、日本で「競争力をつける為に効率化、大規模化を」などと言っているひとは余程の世間知らずか或いは詐欺師に違いない。ここできちんと種子と農業、そして大地を守っておかないと。これは日本だけ見ても急務であるが、いづれ汚染地域が非組み換えの種子を求めるときに、提供できる国が多いほうが良いと思うからだ。ナタネの汚染など国内でもかなり広がっているが、例えば北米や中南米、英国に比べれば、まだまだマシな状況なのだから。
by sirokanippe
| 2005-07-16 14:39
| 農業
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