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2005年 02月 01日
あれだけの選りすぐりの碩学を揃えながら、あれほどまでに低劣で下品な番組を作り上げたNHKには、いっそ頭が下がる。
チョムスキー氏が反対する戦争を引き起こしたのは他でもない米国と日本のマスメディアであり、かの放送局の露骨な米国寄り(及び日本の産業界、保守層寄り)の報道もまた、大きく責任を負っている。自分たちが大量殺戮の後押しをした、その自覚はあるのか。日本が後押ししなければ、あの恥知らずな侵略はできなかった。その素地を作ったのは、恐ろしいほどの偏向報道を繰り広げた、そして現在も一切の反省の色無く、尚それを続けているNHKであろう。自分たちには関係が無いといわんばかりの編集ぶりに対してひたすら軽蔑する。 メディア論といえばチョムスキー博士こそが非常に盛んに行っており、翻訳も多数出ている。彼のシャープな日本批判も、日本語で読める。氏の日本への理解の深さ、正確さは、恐らくワイダ氏など到底及ぶところではない(これはワイダ氏を低く見たものではない。彼はポーランド人であり、ポーランド人として考え、発言するのだから)。 にも関わらず、チョムスキー博士でなくワイダ氏にメディアを語らせたのは一体何故か聞きたい。編集の仕方など異様に露骨で吐き気がする。 これは日本語で作られた日本のTV番組だ。当然、受け手は日本国内の人間を想定しているのであろう。であれば、ここでチョムスキー博士ではなくワイダ氏を持ってきたのは、不見識などという言葉で済むものではない。確実な悪意の存在をそこに見る。 ワイダ氏の仕事と人格には敬意を表するが、如何せん日本の現状を判っているとは言いがたい。「多くの情報」をメディアの姿として言うならば、ヨーロッパメディアのなかに居るワイダ氏には、日米のメディアの狂った状況は見えまい。 産業界及び新保守主義層と蜜月をつづけている日米メディアの状況と、ヨーロッパメディアの状況は恐ろしく異なっている。「大量の情報を使いこなす」とは、偏りない「大量の情報」あってこそ成り立つものだ。ひとつところに偏った「大量の情報」を日々シャワーのように浴びせられ、日々洗脳されている、これが我々の現在だ。 何故チョムスキー氏に語らせずにワイダ氏に語らせたか。何故チョムスキー氏の後にワイダ氏を出し、チョムスキー氏のインタビューに具体的な現在の脅威「新保守主義」の名が一度もなく、ワイダ氏のところで繰り返し過去の脅威「ソヴィエト共産党」の名が出たのか。 固有名詞の使われ方、映像の択び方、そう、チョムスキー氏の時にナチズムの映像は出しても、現在の英米と日本が行っている侵略の映像がひとつもなかったことなど、笑うしかない。 因みにソヴィエト共産党がヨーロッパで暴れていた最中、米国はラテンアメリカ諸国と中東、アジア諸国で、あのソヴィエトさえ比較にならぬほど、大量殺戮に明け暮れていたが、それについてもチョムスキー氏は著作で詳しく述べている。それに関しての映像や説明が一切なかったのは何故だ? 正にこれこそ、放送禁止用語で言うところの「片手落ち」というものだ。 米国と事実上の軍事同盟関係にあり、資本的にもべったりと癒着し、海外についての報道は殆ど米メディアの翻訳に留まっている日本。我々日本人にとって深く関わりがあるのはどちらか、言うまでもないことだと思われるがどうか。 繰り返す。これは日本語で作られた、日本国内の人間が見ることを想定した番組だと思っていたのだが、私の間違いなのだろうか?間違いでないならば、何故我々に関わりの深い問題のみを、巧妙に避けるのか? ワイダ氏の時は普通に彼の通ってきた時代の映像が「共産党」などの固有名詞付きでしっかりと流された。チョムスキー氏のパートの曖昧模糊とした編集とは好対照であった。そして最後の部分のほうが遥かに刺激が強く余韻が残ることも、当然計算済みなのであろう。しかし問う、今我々の上にある脅威は過去の「ソヴィエト共産党」か?それとも日米で湯水のように税金を破壊と殺人につぎ込んでいる「新保守主義」か?この編集や名詞の使われ方、時間配分、ナレーションや映像の巧妙な択び方、吐き気がするほど露骨な編集、いっそ見事というほかはない。 最後に、「レジスタンス」という言葉について。反ファシズムには敬意を表する。相手がナチスであれ、日帝であれ、ソヴィエト共産党であれ、米国であれ。しかしナチスやソヴィエトが相手なら「レジスタンス」で、米国が相手なら「テロリスト」か? 冗談は大概にするが良い。せめてどちらかに統一せよ。 もしポーランドの青年にソヴィエトの要人を殺す権利があるならば、中東やアジア、ラテンアメリカ諸国の人々には当然日米英の要人を殺す権利がある。判っているのか。 恥を知れ、NHK。 頼むから良識のかけらでも取り戻してくれ、NHK。 子供の頃は、あの放送局のファンだったのだ。今やNHKは当方にとって、軽蔑と怒りと憎しみの対象でしかない。NHKには無数の小さなゲッペルズでも居るのか。真に問いたい。 TVの印象を真実だと信じる馬鹿な人間もまだ大勢居るのだ。NHKは、少しは自分たちの責任の重さと罪の深さを理解せよ。
by sirokanippe
| 2005-02-01 20:30
| 反暴力
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