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2004年 11月 15日
読了。尾崎翠氏の代表作。先日恩師にいただいた本に収録されていたもの。 文学書を読むのは久しぶりのことで、非常に楽しい。ずっとずっと、農業関係や経済など、社会学的なものばかり読み続けざるを得ず、文学の世界に深く沈む楽しさをどこか遠くに置いてきていた。私の基礎をつくったのは、しかしエンデや安部公房、カフカ、宮沢賢治、レム、ブラットベリといった、空想世界を描きながら現実よりも一層深く容赦なく現実を切り取って見せた作品群だ。 さて第七官界彷徨。一読してとにかく驚いた。話には聞いていたが、凄い作家が居たものだ。安部公房に極めて近い匂いを私はこの作家に感じているが、この作品は1931年のものなのだ。一種異様な閉鎖的な場所で、小さな世界にひどく深く沈みこんでゆく様子は、寧ろ埴谷雄高に一層近いかもしれない。 思えば彼女は、カフカとほぼ同時代の人間なのだ。しかしつくづく、彼女の活動期が極めて短いことが惜しまれる。ここから花開くべき文学の宇宙もあったろうに、それは「何か」によって未然に立ち消えてしまったのだ。 今、彼女の作品に触れることのできた、その幸福なめぐり合わせに感謝する。 尚、尾崎翠の映画を撮った浜野監督のインタビュー。当方は残念ながら機会がなく未見。この映画もだけど、寧ろ「百合祭」が見たいようーっ!
by sirokanippe
| 2004-11-15 21:04
| 本
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