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2005年 05月 07日
ドストエフスキイ その生涯と作品 埴谷雄高 NHKブックス。昭和四十年発行とありますからええと何年前だろう。ずいぶん昔の本なのは確かですが。活字の雰囲気も今と大分違います。母の本棚から借りてきました。 内容は、副題そのまんま。生涯の動きとその作品とを平行して紹介し、論じてゆくという感じです。私はドストエフスキーは「地下生活者の手記(因みに当方が読んだのは「地下室の手記」という訳)」「白夜(←この上なくつまらない。駄作といって差し支えなかろう)」「白痴(半分まで)(男の書いた恋愛小説が嫌いなので面倒臭い)(ディティールの表現や台詞などは矢張り凄いんだが所詮は男の書く恋愛小説)」しか読んでないので、あまり良い読者ではないのですが。そんな私でも「カラマーゾフの兄弟」におけるイヴァンの許しについての台詞は、あちこちで引用されているので知っているわけで。カラマーゾフは読んでおけと母も言うので、いづれちゃんと…。はい、読みます。つうか読みたいです。 後半になってゆくにつれ、埴谷さん自身の作品の話をしているような感じになってゆくのがなんとも。つまり埴谷さんがドフトエフスキーの特徴として注目した点は、あまねく埴谷さん自身の特徴でもあったわけで。そりゃ、影響を受けたのだから当たり前といえば当たり前なんですが。 で、ドフトエフスキーよりはまだ埴谷さんの作品を読んでいる当方には、もう埴谷作品の話をしているようにしか読めない。(といっても「闇のなかの黒い馬」「埴谷雄高準詩集」「幻視のなかの政治」「死霊(途中まで)」と本書だけですが) それにしてもドストエフスキー。作品は面白い(駄作もあるし構成はへたくそだしロマンティックすぎて笑えるのも確かですがディティールの息遣いなどすばらしい)のですが個人としては絶対に付き合いたくないタイプです。賭博で大金を使い込む奴は嫌いだし尻軽男も嫌いだし。ええ。 追記 私が古典小説をろくすっぱ読まないのは、要するにその殆どが「男の書いた恋愛小説」だからなんだろうと思う。ドストエフスキーも色恋沙汰を書きさえしなければどんどん読んでいたろう作家だ。恋愛が絡むと途端に真実味を失い安っぽく甘ったるく面倒くさくなるんだな。 更に追記 死霊が文庫化されているという情報を友人からもらう。いいのかー。確か埴谷雄高は自作品の文庫化は絶対認めないひとだと聞いていたが。いいのかほんとうにー。 どうやって企画通したんだろうとか現在の版権者とどんなやりとりがあったんだろうとか山のように気になります。だって埴谷雄高だよ。故人の意思がいつまでも尊重されるとはそりゃ私も思っていなかったけれど、まさかこんなに早くとは……。最低でも死後五十年くらいは文庫化は無しだろうと思ってたんだが。ううむ。
by sirokanippe
| 2005-05-07 21:45
| 本
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